栄光病院トップページ > 栄光通信 > 健康のための ちょっとイイお話し【『体幹』ご存知ですか?】
【『体幹』ご存知ですか?】
皆さん、『体幹』という言葉をご存知でしょうか?私たちリハビリの専門職種の中では体幹の重要性は認識されていましたが、最近では、スポーツの世界で特に重要性が認識されるようになり、テレビや雑誌などで皆さんの知るところとなっております。実は日本では体幹の重要性は古くから認識されていたものでもあるんです。
今回は体幹の大切さをお伝えして、皆さんの健康に役立てていただければと思います
・古武術の世界で云われる“丹田”
・ベルトでなく帯を巻く和服の文化
・気合を入れるために祭りで巻く“さらし” 等々
定義が定まっておらず諸説あるのですが、おおむね『人間の体の頭と手足を除いた胴体部分で、骨盤、背骨、肋骨(胸郭)、肩甲骨と、その周囲を取り巻く表層、深層の筋肉』のことを指します。
①緩衝作用:歩いたり走ったりする動作の中で床面から突き上げる力を緩衝するサスペンションの作用があります
②駆動作用:体幹を強く固めることでの手先や足先の力がより効率よく発揮されます
③内臓保護:肺や心臓、胃腸など人間の生命活動に必要な胸部腹部臓器が正常に機能するよう所定の位置に収め、守っています
背骨、体幹機能が低下すると・・・
・緩衝作用が低下した結果、バランスが悪くなり転倒のリスクが高まります
・緩衝作用が低下した結果、関節などに負担がかかり、あらゆる痛みのリスクが高まります
・駆動作用が低下した結果、重力に抵抗する力が発揮されにくくなり、体が重たく感じます
・ 駆動作用が低下した結果、動作が緩慢になり、日常生活に支障をきたします。
※椅子に浅く腰かけた状態でおこなっても結構です。
①四股(しこ):足幅を肩幅より大きく開き、つま先と膝の向きを外に向けて合わせる↓胸を張り、骨盤が起きない範囲で腰を下ろす↓内腿の筋肉が適度に伸ばされて気持ちいいのを感じる(10秒×3セット)
②四股捻転 :①の姿勢から左右へ捻る動作を加える↓腰、背中、肩甲骨の内側等が適度に伸ばされて気持ちいいのを感じる(10秒×3セット)
※イチロー選手がバッターボックスに入る前に必ず行う動作の一つです
社会医療法人 栄光会 栄光病院 リハビリテーション課 課長 林 邦男