栄光病院トップページ > 栄光通信 > ピロリ菌検査を受けましょう!
ピロリ菌は病原性の細菌のひとつでヒトの胃に住みついています。30年くらい前にオーストラリアの内科のお医者さんが発見し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の原因として有名になりました。最近ではピロリ菌が胃がんの発生にも関係していることが知られるようになっています。ピロリ菌治療は私たち消化器内科・外科医師の大事な仕事の一つなのです。
社会医療法人 栄光会 栄光病院 副院長・外科 井上 裕
ピロリ菌陽性のまま年齢を重ねると、次第に胃が荒れてきて(萎縮性胃炎)胃がんが発生するようになります。ピロリ菌退治(除菌といいます)により胃がん発生の可能性は3分の一から4分の一に減ると報告されています。ピロリ菌は抗生物質をたったの一週間飲めば退治できますが、これほど簡単ながん予防法は他のがんではありえないことです。この他、再発を繰り返す胃潰瘍や十二指腸潰瘍をたった一回の治療で治すことも可能です。
いえいえ、決して珍しくありません。衛生状態が格段に良くなってきた現代では、数十年前に比べてピロリ菌陽性者は減少しましたが、2016年の現代でも30歳代で30%、40歳台で40%、50歳以上で50%以上の方にピロリ菌は陽性です。2〜3人に一人は陽性なのですから、あなたが陽性である可能性は高いのです。
皆さんがピロリ菌を持っているかどうかを調べることは簡単です。病院にきて血液検査か呼気テスト(吐く息を調べます)で容易に調べることができます。痛くもきつくもありません。結果はすぐにわかります。ピロリ菌検査時には胃内視鏡検査も同時に行ったほうが良いので、できるだけカメラもしておきましょう。
これまで一回もピロリ菌検査や胃内視鏡を受けたことがない方が対象になります。特にご両親や祖父母がピロリ菌陽性の方は、家庭内感染の可能性がありますので早めに検査を受けられ、除菌を済ませておくことをおすすめします。これは将来の胃がんの予防に結びつくのでとても大事なことです。
栄光病院では年間700人のピロリ検査を行っています。そして毎年150人から200人の方のピロリ除菌を行っております。その結果この8年で1500人の除菌に成功しています。胃内視鏡検査も除菌治療も栄光病院にお任せください。
栄光病院 外来:092-935-0147
午前9:00〜17:00
(昼休み12:30〜13:30)
(午前受付12:00まで)
休診日:日曜・祭日
はい、3種類のお薬を7日間連続で飲んでいただきます。一つは胃薬であとの2つは抗生物質です。副作用はほとんどありませんが、まれに下痢やアレルギー性の皮膚症状(薬疹)を見ることがあります。
一回治療をすれば、まず再発はしません。一生に一度治療をすればよいのですから、できるだけ若いうちにピロリ検査を行い、治療を行うことが大事だと考えます。
以上、「胃がん予防が可能な唯一の治療」がピロリ菌の除菌です。ピロリ菌を日本から根絶できれば、日本の胃がんが激減するとの予想もあります。ぜひ栄光病院にピロリ菌検査を受けにお越しください。お待ちしております。
ピロリ菌検査を受けるには事前に準備( 飲食不可など) が必要ですので、まずは外来にお問い合わせ下さい。