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栄光通信

栄光病院トップページ栄光通信健康のためのちょっとイイお話【からだと心の繋がり 〜肩こり腰痛の正体〜】

  • 2020年11月16日
  • 手と目と -医療版- Vol.24 より

健康のためのちょっとイイお話【からだと心の繋がり 〜肩こり腰痛の正体〜】

皆さんこんにちは、理学療法士の林と申します。整形外科の先生からレントゲンやMRI等の画像を診て異常が無いと診断されているにもかかわらず腰痛に悩まされている患者さんがおられることをご存じでしょうか?

これら原因が特定できない様な腰痛を『非特異的腰痛』といいます。実に全体の85%ともいわれており、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症等の原因が明確な腰痛は全体のわずか15%に過ぎません。患者さんは原因が特定できない中で腰痛に悩まされたり、軽快したり、そして忘れたころにまた腰痛が出て相談に来たりします。『腰痛が悪くなるにも良くなるにもレントゲンなどに写らない何かが影響しているに違いない』と考え、調べる中で『自律神経』という言葉にたどり着きました。

自律神経は24時間体制で内蔵の活動に指令を出しています。日中活動的に過ごすときは交感神経が優位に、体を休めるときには副交感神経が優位となるよう自律神経がスイッチの切り替えを自動的にしてくれます。まさに健康を維持するための司令塔です。

しかし、不規則な生活や睡眠不足、過度なストレス等により私たちの心(感情)は乱れてしまいます。心が乱れると交感神経の活動に異常が起こり、自律神経系の多くが収まっている背中周辺(胸椎)の筋肉が硬くなります。呼吸をするための筋肉も含めた背中の筋肉が硬くなるので背骨の関節の動きも硬くなり、更に二次的に呼吸が浅くなります。背中が硬くなったからだに影響された結果として首や腰の動きを硬くして肩こりや腰痛が起こるのです。つまり、肩こりや腰痛は結果であって、本当に治療するべき原因は背中にあるかもしれないということなんです。

 この悪循環を断ち切るヒントは『呼吸』にあります。世界各地の伝統的な健康法(ヨガ、太極拳、瞑想、ラジオ体操等々)でも必ず呼吸が大切に扱われています。無意識に浅くなっている呼吸を一度意識して整えてみるといいかもしれませんね。

栄光病院 リハビリテーション課 課長 理学療法士  林 邦男

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