栄光病院トップページ > 栄光通信 > 健康のためのちょっとイイお話し【ダニ媒介感染症】
夏休みのレジャー、山や川でのキャンプや山登りなど屋外での活動が増えてくる季節です。マダニの活動が盛んな春から秋の屋外での活動やレジャーを楽しむための注意として、今回はダニ媒介感染症についてお話します。
ダニが媒介する感染症は、基本的にウイルス等病原体を保有するマダニ類やツツガムシに咬まれることによって感染します。
ダニが媒介する感染症には重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつが虫病、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎、クリミア・コンゴ出血熱、回帰熱などがあります。
1:草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン、足を完全に覆う靴、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。マダニは森林や草地だけでなく、公園や河原、民家の畑や裏庭など身近なところにも生息しています。
2:忌避剤(有害動物の嫌う成分を用い、害虫などが近寄らないようにする薬剤)の併用も効果が期待されます。
3:屋外での活動の後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、首、耳、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏などがポイントです。
4:マダニに咬まれた場合、吸血中のマダニに気が付いた場合は、無理に引き抜こうとすると化膿したり、病原体を体内に入りやすくしてしまう恐れがあるので、皮膚科などの医療機関で処置をしてもらってください。
5:どのような病原体を保有しているかわからない野生動物とのむやみな接触は避けてください。
正しく感染対策を行い、自然豊かな場所でのレジャーやくつろぎのひと時を楽しんで下さい。元気な夏をお過ごし下さいませ。
栄光病院 外来 ICTリンクナース 野田 理恵