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- 2025年03月18日
- 手と目と -医療版- Vol.38 より
健康のためのちょっとイイお話し【カマボコノススメ】
日本人の食文化がいくら多様化したとは言え、お米をまったく食べないという人は、あまりいないでしょう。今も「日本の主食は何ですか?」との質問に「お米」以外を答える日本人はほとんどいないと思います。ただ、お米をはじめ、パンや麺類など手軽に摂れる食事とて、主食単品で済ませて、栄養状態が心配な人も少なくないようです。
65歳以上の人口割合が30%に達した超高齢社会・日本の健康問題を深刻化させているものは何か? その一つは、高齢者の食事のかたより、特にたんぱく質を多く含む食品の摂取不足だそうです。よく「肉を食べている高齢者は、健康な人が多い。」と言われますが、実は肉のたんぱく質よりも魚肉のたんぱく質のほうが色々な意味で優れていると言われています。
以前から、魚は健康によいとされていましたが、注目されていたのは魚油でした。サプリメントでよく聞くDHAやEPAは、青魚などに多く含まれる脂肪酸のことですが、抽出し脂肪酸だけを摂るよりも、魚肉たんぱく質も共に摂ることで健康により良い効果があることがわかってきました。良質なたんぱく質を摂ために肉よりも新鮮な魚を食べようと言いたいところですが、毎日の食卓に魚料理というのはハードルが高いと思います。
そこで、カマボコ、ちくわなどの練り製品を取り入れることをお勧めします。魚肉から作られるカマボコなどの練り製品は、魚を食べるのと同じ効果、それ以上の利点があるといいます。
1.魚肉は消化、吸収率が高く、カマボコはさらに胃に優しい
脂っこい食べ物で胃がもたれる人や、消化吸収能力が低下した高齢者の方にオススメ。
2. にカマボコは低コレステロール
コレステロールが気になる人にオススメ。
3. 低プリン体
カマボコの製造工程でプリン体が洗い流されるので、痛風の方にも優しい食品。
4. 鮮魚とくらべて保存がきく加工食品である
調理済みなので手軽に食べられます。
5. SDGsにかなっている
カマボコの原料となるスケトウダラは、牛肉などはもちろん、エビやマグロなどの他の魚介類よりも生産工程のCO2排出量がかなり低いそうです。
6. アミノ酸のリジンが多いので、お米や麺などの穀物との相性がよい
穀物のたんぱく質は質が悪いと言われる原因は、アミノ酸のリジンが少ないことですが、カマボコを一緒に食べる事で、カマボコがリジンを補い、栄養がパワーアップします。
カマボコなどの練り製品を冷蔵庫に常備しておき、主食単品で済ませようとせずに、お弁当のおかずに、ごはんのお供はタクアン2切れよりもカマボコ2切れ、うどんには丸天やカマボコを、と食生活に練り製品を取り入れてみてはいかがでしょうか。

栄光病院 栄養管理課課長代理(管理栄養士) 馬場 ひとみ